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月: 2021年4月
メキシコ雑貨屋によくあるポンポンチャームとは?
メキシコのポンポンチャームはビビッドカラーからパステルカラーまで、様々な色をふんだんに使ったとっても可愛らしいアイテム。
今回はメキシコのポンポンチャームの種類やその発祥の地、作り方をご紹介したいと思います。
メキシコのポンポンチャームは、とにかく色使いがカラフル!
ポンポンチャームの多くは、フェルトと毛糸でできたメキシコのカラフルな飾り。
メキシコの雑貨というと、濃いピンクや青、鮮やかな黄色などを使った、原色に近いビビッドカラーを使用したものが多いのですが、ポンポンチャームはビビッドカラーを使ったものもあれば、柔らかめの色で組み合わせたパステルカラー仕様のものも多くあります。
メキシコでは数少ない、ふんわりとした柔らかいイメージの雑貨になっています。
デザインは、上がコラソン(スペイン語で「ハート」の意味)になっていて、下が毛糸のフリンジになっているものが多く見られます。
コラソンには、刺繍で描かれた花柄やハート柄でいっぱい。
その他にも、上が毛糸ボールで、下はフリンジが何段も重なって層になっているタイプのデザインもあります。
毛糸ボールには2色の色が使われており、マーブル柄になっていて、フリンジは層ごとに色が異なっていて、デザインはシンプルだけどカラフルで目を引きます。
ものによりますが、長さは大体20cmくらいで、吊り下げひもも毛糸で長めなのでぶら下げやすくなっています。
一般的なキーホルダーサイズよりも大きめなので、ドアノブやカバンにかけたり、車のバックミラーにかけたり、部屋のカーテン留めとして使ってもいいアクセントになりそうですね。
メキシコにおけるコラソンの意味
ポンポンチャームの上についているコラソン(ハート)は、メキシコでは特別に大事にされているモチーフです。
ポンポンチャームだけでなく、木製やブリキ製のオーナメントなど、ハートをモチーフにした飾りがメキシコにはたくさんあります。
また、ネックレスやピアスなどのアクセサリーになっていることも多くあります。
メキシコでは多くの人がカトリック教信者なので、ハートを意味するコラソンは、「イエス・キリストの聖なる心」を表したものと言われています。
短剣や炎とともに描かれるハートのモチーフや、イバラの冠をかぶったデザインも多いのですが、それらは全て、イエス・キリストへの慈悲を表しているものと考えられています。
また、「ハートは愛と精神の象徴である」、や、「昔は悪いエネルギーを追い払うためにドアに貼っていた」とも言われています。
中南米では、イエス・キリストよりも聖マリアを崇めることが多いので、現代でも、家の壁や棚に、聖マリア像とともにコラソンモチーフを飾っているメキシコの家庭がたくさんあります。
発祥の地はチアパス、今はサン・ミゲル・デ・アジェンデも有名
ポンポンチャームは伝統工芸で有名なメキシコ南部の街・チアパス州が発祥であると言われています。
初期は綿を材料に作られていましたが、近代になるにつれてアクリル糸なども使われるようになってきました。
当時はポンポンをおさげ髪の飾りとして使っていましたが、段々と部屋の飾り用のものも作られるようになりました。
また、メキシコ中央高原地帯のグアナファト州にあるサン・ミゲル・デ・アジェンデは “Corazón de México” 「メキシコのハート」として知られています。
ハート=中心部ということで、地理的にメキシコの中心に位置していることからそのように呼ばれています。
この街はとにかくコラソンモチーフの雑貨でいっぱいで、それ以外にも洗練されたお土産がたくさんあり、街並みもカラフルな家々が続きメキシコらしい街です。
メキシコに行くならぜひ訪れてほしい場所のひとつです。
コラソンの壁飾りはサン・ミゲル・デ・アジェンデでよく見られますが、ポンポンチャームはこの街以外でも、メキシコの観光地などでよく見られます。
メキシコの伝統工芸が多く見られる南部のチアパスや、首都メキシコシティのサンアンヘルという土曜市で有名な街でも手に入るでしょう。
ポンポンチャームの作り方
ポンポンチャームはハートの刺繍からフリンジの作成まで、手作りで行われています。
ハートのポンポンチャームの場合、まずはフェルトを用意し、そこへ刺繍したいハートや花柄などのデザインを描いていきます。
そのあと、描いた線にそって刺繍をしていき、ポンポンの頭になる部分に綿を詰めて、刺繍糸で閉じます。
次はフリンジ部分を作ります。様々な色の毛糸を好きなように組み合わせ、先端をまとめてカットします。
ハート部分とフリンジ部分を組み合わせたら完成!
色もデザインも種類がたくさんありすぎて選べない!そんな時は?
デザインも色も刺繍も、とにかく種類が豊富なポンポンチャーム!
実際にメキシコで売っている場所でも、たくさんの商品がぶら下がっていて、自分にピッタリの「これだ!」というひとつがなかなか選べません。
そんな場合は、思い切って2つゲットするのを検討してみるのもありかも?
カーテン留めにするなら左右2つ必要だし、ドアノブやカバンに飾るにしても、ハートタイプと毛糸ボールタイプを2
メキシコの刺繍の種類~オトミ・ララインサール刺繍他
メキシコ雑貨やメキシコの民族衣装がかわいく魅力的に見える理由の一つが、デザインも色も多様な刺繍。
たくさんの色が使用された細かい刺繍から白い生地に動物の柄が刺繍されたものなど、様々な種類の刺繍を目にしたことがあるのではないでしょうか。
ということで今回は、豊富なメキシコの刺繍をご紹介したいと思います!
それぞれの原住民文化が反映されたメキシコ刺繍
メキシコではスペインのアメリカ大陸上陸の前と後の時代で、文化が大きく異なってきます。
スペインのアメリカ大陸上陸により他の人種や文化が原住民の文化と混ざることで、メキシコ独特の世界観となる伝統工芸や文化を生み出しました。
その代表的な一つが刺繍です。
メキシコにはたくさんの原住民文化があり、それらの文化がそれぞれスペインからきたヨーロッパや他の文化と混ざりあっているため、刺繍の種類は原住民の住んでいる地域ごとに分かれています。
ミチョアカン州のオトミ刺繍
メキシコの刺繍の中で最も有名な刺繍のひとつがこのオトミ刺繍。
白い生地にカラフルな鳥やウサギなどの動物が描かれている刺繍を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
洋服からベットカバーやクッションカバーや小物など、大きいものから小さいものまで様々な雑貨に使用されている刺繍です。
オトミ刺繍に関しては、別記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね!
チアパス州のララインサール刺繍
伝統工芸で有名なチアパス州からは、もう一種類ご紹介。
幾何学模様のように綺麗に並べられたたくさんの菱形が特徴的なララインサール刺繍は、数あるチアパス州の刺繍の中でも人気の高いものとなっています。
ララインサール刺繍は、チアパスの職人がバックストラップ織機を使用して編んでおり、全て手作り。
真っ直ぐに描かれる菱形の直線と、色とりどりの菱形がたくさん入り混じって織りなす全体の美しさは、織機を使って一列一列編んでいるとは思えない正確さです。
その人気から、衣服やカバンだけでなく、クッションカバーやポーチ、小物入れなど、さまざまな雑貨になっており、持って帰りやすいサイズなのでお土産にも人気です。
オアハカ州のサポテカ刺繍
大きな花が描かれているのが特徴のサポテカ刺繍は黒いベルベット生地に赤や黄色、オレンジなどの色鮮やかな花が大きく描かれ、エレガントかつ目をひくデザインになっています。
一見、絵の具で描いたかと思うほどの繊細さは、刺繍職人の技術に寄与します。
花びらは一枚一枚にそれぞれの形があり、影やニュアンスまで表現するその細かい作業のため、ドレスひとつを完成させるのに、三ヶ月ほどかかると言われています。
それを一度身につけると、サポテカの女性の美しさと優雅さを際立てるドレスに大変身。
サポテカ先住民のコミュニティがあるサンタローザでは、人口の約80%以上がドレスやウィピル(メキシコの伝統衣装)の手刺繍に従事していると言われています。
多くの先住民が残り、伝統工芸で有名なオアハカ地方には、他にもミシェ、マサテコ、チナンテコといった刺繍があります。
サン・ルイス・ポトシ州のウアステコ刺繍
メキシコの中央部に位置するサン・ルイス・ポトシ州の先住民ウアステコ族が作る、幾何学模様のような刺繍が特徴のウアステカ刺繍。
柄にはそれぞれに意味があり、花は、Teenek(ウアステコ族は自らのことをこう呼ぶ)の象徴を意味し、とうもろこしはウアステコ族の食生活に置いて欠かせないもの、動物は自然との繋がりを意味しており、ピンク、赤、緑、オレンジの色を使って、模様を刺繍していきます。
色にもそれぞれ意味があり、赤は太陽、緑は葉っぱ、オレンジは地面を意味します。
ウアステカ刺繍の中でよく使われるモチーフが、”Arbor de vida
メキシコのメルカドバッグ、実は種類が色々ある…!
ここ数年、日本でも名が知られ始めたメキシコのメルカドバッグ。
ショッピングビルに期間限定出店で販売されていたり、カンクンのお土産として購入する人も増えていたりと、見たこと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
このメルカドバッグ世界的にも流行っているみたいだけど、メキシコでも実際に使われているのでしょうか?
ということで今回は、メキシコのメルカドバッグについてお話したいと思います。
また、メルカドバッグ同様、近年世界で流行しているメッシュバッグも、本記事の後半でご紹介していきます!
メキシコの主婦の強い味方!メルカドバッグ
スペイン語でメルカド(Mercado)とは「市場」のこと。
メルカドバッグはその名のとおり、メキシコの市場で買い物をするときに広く使われています。
素材は、細くカットされたプラスチックテープ。このテープを手で編んで作られています。
カゴバッグのプラスチック版と言えばわかりやすいかもしれません。
メキシコで買い物をする場所というと、日本にもあるようなスーパーマーケットと、屋外に小さな露店がたくさん並んでいる市場の2種類がありますが、特に後者の市場でこのメルカドバッグを使って買い物をしている主婦をたくさん見かけます。
マチが大きく、プラスチック製でしっかりしているので、野菜や食料品など大きいものや重いものを入れても破れる心配がないことから、大家族の多いメキシコで大量の食材を買う主婦たちの強い味方です。
デザインは豊富で、ひし形がたくさん並んでいるタイプ、チェック柄、ストライプ、柄なしといったものがあります。
また、カラーも豊富で、たくさんの色をふんだんに使ったカラフルなものから、単色や2色のみのものもあります。
豊富なデザインと豊富なカラーバリエーションがかけ合わさって、どれがいいか選ぶのに時間がかかってしまうほど。
とても丈夫で、汚れてもプラスチックなので洗えるし、濡れても問題なし!
メキシコでは買い物カゴとして使われていますが、そのデザイン性の高さから、最近はファッションバッグとして他の国々でも人気になっています。
街へのお出かけはもちろん、ビーチバッグとしても大活躍です。
オアハカで手編みで作られているメルカドバッグ
メルカドバッグの作り方は、以前ご紹介したカゴバッグと似ています。
カゴバッグはヤシの葉を使用していますが、メルカドバッグはヤシの葉のかわりに細くカットされたプラスチックを使用して、手で編んでいきます。
カゴバッグと同様、オアハカで多く生産されているメルカドバッグ。
ヤシの葉でカゴバッグを織っている同じ職人が、メルカドバッグを織ることもあります。
道具を使わず、何本ものプラスチックテープを組み合わせて、素早く手で編んでいくスピードと正確さはお見事。バッグの持ち手も、プラスチックテープを三つ編みのように編み、その先端の余ったプラスチックテープをバッグ本体にしっかり編み込むことで、持ち手が外れにくくなっています。
軽くて手軽!メキシコのセニョーラに愛されるメッシュバッグ
メルカドバッグと同じく、近年世界でも人気になっているメッシュバッグ。
メッシュ素材を使用した軽いバッグで、こちらもメキシコでは買い物用バッグとしてメキシコのセニョーラ(結婚している女性のこと)に愛されてきました。
その歴史は長く、もう100年以上も主婦の間で愛されているそうです。
ちょっとすぐそこのお店までお使いに、といった気軽な外出に最適です。
デザインはチェック柄やストライプ柄がよく見られ、どれもカラフル。
カラフルで可愛らしいデザインなので、シンプルなTシャツとジーンズに合わせるのもいいですし、メッシュ素材なのでビーチバッグやピクニックにも使えそうです。
こういった通常デザインのものは、メキシコ国内にある市場ならどこでも見つけることができます。
世界で注目されるメッシュバッグ
最近はそのデザインが注目され、今では世界でファッションバッグとして有名に。
ヨーロッパ内、特にフランスなどへ多く輸出されているそうです。
しかし、その魅力ゆえに、デザインの盗用疑惑が起きているという事実があります。
「ザラ」がメッシュバッグに似たデザインのバッグを販売し、メキシコで「文化の盗用」と非難され炎上、ECサイトから削除されてしまう問題もありました。
メッシュバッグはコスパがいいメルカドバッグ!
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メキシコで手織りされてる”ハンモックバッグ”とは?
「ハンモックバッグ」と言う言葉を聞いたことがありますか?
名前から想像すると、ハンモックのようなバッグ?と想像されるかもしれません。
そのカラフルさやデザインの豊富さから、メキシコのお土産として大人気。
最近はアメリカでも流行し始めているとか。
と言うことで今回は、メキシコの伝統技術で作られたハンモックバッグをご紹介していきます。
ハンモックみたいだから「ハンモックバッグ」!
ハンモックバッグとはその名の通り、ハンモックのような形をしたバッグ。
写真を見ていただければわかるように、バッグの持ち手がハンモックの吊り下げひものような形をしているため、そのように呼ばれています。
綿でできているため軽くて柔らく、また持ち手が大きく肩からかけるタイプなので、ちょっとした買い物や旅先でも重宝します。
大きめサイズなので軽量のノートパソコンなども持ち運ぶことができます。
定番の柄は、メインの色一色でできたバッグの真ん中にたくさんの色が縦に編みこまれているタイプです。
その他にも、刺繍が編み込まれたデザインなどもあります。
鮮やかな色を豊富に使ったデザインは、メキシコそのものを表しているようです。
そのため、多くの観光地でハンモックバッグが売られているのを目にすることができます。
ハンモックバッグはメキシコ南部の伝統工芸
ハンモックバッグは、チアパス州やオアハカ州の伝統工芸として引き継がれているバックストラップ織機を使った織物で、チアパスの職人によって手作りされています。
バックストラップ織機での織物の歴史は、プレヒスパニック時代(スペイン人がメキシコを征服する前の時代)まで遡ります。
生活様式が遊牧から農業へと変化し、定住生活が定着し始めたことにより、この織機が使われ始めました。
メソアメリカでは、多くの女性が社会的階級関係なくバックストラップ織機を使って布を織り、貝や石を飾りとして布につけることもありました。
当時は、織機はただの布を織るための道具ではなく、神様が女性に与えた神聖な贈り物とされていました。
人生を共にする織機
この時代は、女の子が産まれると、赤ちゃんを織機に馴染ませるための特別な儀式が行われ、また、女性が亡くなる時には、その女性が使っていた織機の道具を遺体と一緒に埋葬していたと言われています。
産まれる時から亡くなる時まで、女性は織機とともに人生を歩んでいたのですね。
現代でも、チアパスに産まれる女の子たちは子供の頃から母親や姉に教わりながら遊び感覚で織機に触れ、6~7歳になると大体感覚を掴みはじめるそうです。
その後、技術をさらに身につけ自分自身でデザインもできるようになり、14~16歳ごろにはバックストラップ織機での織物を習得するそうです。
こうして織物は、チアパスで伝統工芸として世代をつたって受け継がれていっています。
いろんなカラーハンモックバッグ!
ハンモックバッグを選ぶ時にチェックしたいのは、なんといってもそのカラーの豊富さ!
メキシコらしい濃いめのピンクや青、黄色がメインカラーとなっており、そこに織り込まれるたくさんの色!
色のコンビネーションが少し違うだけで印象もグッと変わってきますし、縦に織り込まれた様々な色のデザインもひとつひとつ違うので、お気に入りのハンモックバッグを探すところから楽しい気持ちになれるかもしれませんね。
カラフルでひとつ持っているだけで主役級のアイテムなので、白いTシャツとジーンズに合わせてアクセントにするものよし、軽くて大きめなのでサングラスや小物を入れて公園やビーチに散歩に行くのもよし!
いろんなシーンで注目の的になること間違いなしかも!?
当サイトでは、豊富なカラーバリエーションのハンモックバッグをご用意しておりますので、ぜひチェックして見てくださいね!
メキシコの切り絵「パペルピカド」とは?
メキシコの映画を見た時やメキシカンレストランに行った時、天井からぶら下がっているカラフルな紙の飾りを見たことはありませんか?
メキシコの街並みを彩るこの紙の飾り、メキシコでは「パペルピカド」と呼ばれており、お祝いの時によく使われている装飾のひとつです。
どんな柄があるの?メキシコでも実際によく使われているの?と言う疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
ということで今回は、メキシコのパペルピカドについてご紹介していきます。
パペルピカドってどういう意味?
パペルピカドとは、スペイン語で”Papel picado”「切り刻んだ紙」と言う意味です。
様々な色の紙に絵柄が刻まれたパペルピカドは、一本の糸に横並びに貼り付けられており、それを天井から吊るして飾る、という装飾方法が一般的です。
絵や柄のバリエーションは豊富で、メキシコの典型的なイメージであるサボテンや、花柄、ハート、鳥柄などが一般的ですが、イベントによって柄が変わったり、メキシコ国内のレストランや、会社では、社名やロゴを切り取ったパペルピカドなども作られています。
メキシコではお祝いごとに使われるパペルピカド
パペルピカドはメキシコ国内のお祝いごとで非常によく使われます。
9月16日のメキシコ独立記念日やクリスマス、15歳のお祝い(日本でいう20歳の成人式のようなイベント)や結婚式、生まれたての赤ちゃんの洗礼の儀式のにも、お祝いの意味で飾られます。
ですが、パペルピカドが特によく使用されるお祝いごとと言ったら、なんと言っても死者の日ですね。
死者の日とは、スペイン語では”Día de muertos”といい、11月1,2日に亡くなった人を迎える日です。
日本のお盆に当たりますが、メキシコでは街をカラフルに彩り、賑やかにお祝いをします。
ディズニー映画『リメンバー・ミー』で死者の日を知った方も多いかもしれませんね。
死者の日に飾られるパペルピカドは、カラベラ(ガイコツ)のモチーフが非常によく見られます。
日本の祭壇にあたる「オフレンダ」には、死者を明るく迎え入れるためにカラベラのお菓子などと共にパペルピカドが飾られます。
パペルピカドの起源は、なんと中国!
アメリカ大陸が発見される前のプレヒスパニック時代、メキシコではアマテ紙というクワやイチジクの樹皮から作られた紙を使用していました。
しかし19世紀半ばから、スペイン人の到着により生活の様々な場面において新しい材料が使われるようになり、紙に関しても、以前まで使っていたアマテ紙ではなく、別の紙を使用するようになりました。
その紙が”Papel de China パペルデチナ”(日本語で「中国の紙」)でした。
日本でいうとお花紙のような薄くて柔らかい紙です。
プエブラ州のウィスコロトラの人々はこの紙を扱い始め、そこから器用さや想像力を活かして絵柄を彫るようになり、パペルピカドが作られるようになりました。
この伝統が世代から世代へと受け継がれ、1930年ごろにプエブラ州全体へと広がり60年代にメキシコシティへと伝わり、そこからメキシコ全土へと伝わっていきました。
多くのお祝いごとを通じて広く知れ渡ったこの伝統工芸は、メキシコの観光・文化庁からもサポートを受けており、パペルピカドの発祥の地となったプエブラ州は、ウィスコロトラの手作りのパペルピカドをプエブラ州の文化遺産に指定しました。
この地域では、住民の約7割が、パペルピカドを作る事業に従事しており、プエブラ州にとってもメキシコにとっても、パペルピカドは重要な伝統工芸になっています。
プエブラ州の職人によって手で作られるパペルピカド
パペルピカドは、職人の手によって作られます。
まず、パペルピカドとなる紙を50枚~100枚重ねて置き、その上に絵のデザインとなるプラスチックでできた型を乗せます。
一番上にプラスチックの台紙を置き、重ねた紙と型がずれないように固定します。
これで準備はOK。ここからパペルピカドの柄を作る作業に入ります。
細かい絵柄があることから、パペルピカドは紙をハサミなどで切って作っていると思われる方も多いのではないでしょうか。
実はパペルピカドに絵柄をつける伝統的な方法は、ハサミやカッターでなく、ノミとハンマーを使います。
台紙の上から型にそってノミをハンマーで打ち付けることで紙をカットしています。
しっかりと一番下まで打ち付けないと、50枚重ねた紙全てに絵柄が残らないので注意が必要です。
切る、と言うよりは彫る、と言う言葉の方があっているかもしれませんね。
全ての絵柄を掘り終えたら、重なっている紙を一枚一枚にはがし、糸に横並びに貼り付けていきます。
通常、一列あたり5mのサイズで、プエブラのあるお店では、普段は1日1000列、ハイシーズンには1日約10000列ものパペルピカドが売れるといいます。
https://www.youtube.com/watch?v=X1Y