メキシコは何故カラベラ(ガイコツ)を飾るのか?
メキシコの映画や街並みを見たことがある方ならきっと一度は目にするであろうガイコツの飾りやモチーフ。
メキシコ=ガイコツと言うイメージだけど、ガイコツって、正直に言うとちょっと怖い…どうしてこんなにたくさんガイコツを飾るの?怖くないの?
と不思議に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
と言うことで今回はメキシコのカラベラ(ガイコツ)について紹介していきたいと思います。
メキシコのカラベラは「死は幸せなこと」である象徴
メキシコでよく見られるあのガイコツは「カラベラ」と呼ばれています。スペイン語では”Calavera”と書き、日本語に直訳すると「頭蓋骨」と言う意味になります。
メキシコで盛大に祝われる11月の死者の日によく飾られていますが、レストランによっては1年中カラベラの人形を飾っていたり、お土産としてカラベラ人形やカラベラが描かれた小物がたくさん売られていたりと、シーズンを問わず、メキシコの代表的なモチーフとして知られています。
カラベラの起源は、メソアメリカ文明を支配していた民族の一つであるメシカ族の時代まで遡ることができます。
カラベラは、悲しみではなく喜びの象徴とされており、来世での幸せな生活を示すために、お祝いごとをしたり、踊ったり楽器を弾いたり…といった、楽しい姿のカラベラが描かれています。
メキシコでは、亡くなった人は悲しい思い出として記憶に残るのを嫌がり、死は幸せなことであるべき、と考えられているところから、こういったカラベラの姿につながっています。
この考え方は、スペインに征服された後も残った数少ないメキシコ文化のひとつです。
カラベラは死者の日に大活躍!
メキシコ人の生活の中で1番多くカラベラが登場するシーンは、やはりなんといっても死者の日でしょう。
亡くなった人々が年に一度帰ってくるこの11月1、2日の2日間は、死者を喜んで迎え入れるため、祭壇を明るく飾りつけますが、このときに欠かせないのが、砂糖で作られたカラベラのお菓子です。
また、町中の人々がカラベラのメイクをしてお墓参りにいったり、パーティをしています。
さらに、死者の日には”Calavera literaria”と言う遊びも行われます。
死者の日の前日に、カラベラをテーマに韻を踏んだ詩を作って読み合うという遊びです。
亡くなった方や生きている人とカラベラを題材に、皮肉といたずら心を少し交えて、面白おかしく詩を書きます。
日本でいう季節に合わせた俳句に近いかもしれませんが、おもしろく書く、と言うところにもまた、メキシコ人の「死は幸せなことである」や「死者を明るく楽しく迎え入れたい」と言う気持ちが表れているのかもしれませんね。
カラベラは、社会の分裂から発生したものだった
そのように、現在はカラベラは陽気で楽しい存在、とされていますが、実はその起源は、今ほど明るい始まり方ではありませんでした。
1857年、メキシコでは社会の分裂が始まります。今も根強く残る経済的・社会的格差の問題もありましたが、それと共に問題となっていたのが”Garbanceros(ひよこ豆売り)”と呼ばれていた元農民グループです。
彼らが、古くからメキシコで大事にされている食物であるとうもろこしの販売をやめ、ひよこ豆のビジネスを始めたことがきっかけでした。
原住民の血を引いていると言う事実を拒否し、ヨーロッパからきた文化に乗り換えようとするグループの姿は、そうでない人々からするとメキシコ文化のへ裏切りと映りました。
そこから、そのグループを批判する文章とともに、グループを揶揄したカラベラの絵が添えられるようになりました。
その後、この批判の矛先は国自体や上流階級の人々に向けられ、批判と嘲笑の意味をこめて、スーツやドレスなどの上品な服を着たカラベラが、批判のコメントとともに描かれるようになったのが、カラベラの起源と言われています。
現代のカラベラには、様々な表情・形をしたカラベラがいますが、よく見てみると同じデザインのカラベラがいろんなところでモチーフに使われていることがわかります。
このカラベラは「カトリーナ」と呼ばれており、この社会の分裂からカラベラの絵を描くのが流行した時に、ホセグアダルーペポサダスと言う人物によって創られたキャラクターです。
カラベラグッズはバリエーションが豊富!お土産に大人気!
死者の日以外では、メキシコを象徴するキャラクターとしてたくさんのカラベラグッズがお土産として販売されています。
有名なのは、陶器のカラベラの置き物。
お土産屋さんだけでなく、街を歩いていると道端でもよく売られています。
ひとつひとつ手で掘られ、手で色を塗り表情を書いていくので、それぞれ顔かたちが違い、お気に入りを見つけるだけでワクワクしそうですね。
また、足まである全身のカラベラの置き物も有名です。
四角いガラスケースに入っていたり、木の枠で囲われていて、中にはとってもユーモアのある、様々なシチュエーションを描いたカラベラがいます。
楽器を弾いていたり、手術中だったり、メキシコの国民的スポーツ・ルチャリブレをしていたり、結婚式を上げていたり…
お土産屋さんにも、カラベラの置き物が高く積まれており、いろんなバリエーションがあって、見ていて飽きないのではないでしょうか。
他にも、カラベラのポストカードや貯金箱、フォトフレーム、ピアス、など、カラベラは様々なものに形を変えて私たちを楽しませてくれます。
当サイトでは、カラベラの置き物やフォトフレーム等を扱っておりますので、ぜひお気に入りのカラベラを探してみてくださいね!
愉快なカラベラがお家にいれば、見ているだけでちょっと笑顔になれるかも?